ジャックプレートって何?
 ジャック/ジャッキ/アウトブラケット等と呼ばれる物ですが、船外機をトランサムボードからセットバックして取りつけるパーツのことを言います。

(写真はデットワイラー社のハイドロジャック)
初めて開発された頃にはトランサムに後付けされるものしかなかったそうが、現在では船体と一体構造をした方式も増えてきています。それだけ効果が高いということでしょうか。

(写真はレンジャーのインナージャック)

 その効用は色々あります。ボートとのマッチングにもよりますが、速度増加・旋回性能向上・エンジン取り付け高さ調整の簡便化・ボート全長の増大による直進性向上等が上げられます。
 最大の特徴は単純にジャックのワイド分だけエンジンをセットバック出来ると言うことです。それにより、滑走中にトランサム底部から排出される水流が少しでも緩くなる部分にエンジンロアユニットが置かれ、水の抵抗を少しでも軽減し、速度の増加が期待できます。
また、トランサム直近は水が押し退けられ水位が下がりますが、トランサムから離れるに従い水流が盛りあがります。したがって、ジャック無しの場合と比べると、ジャックを取りつけてセットバックした場合、少しでもエンジン取り付け位置を上に上げる事が出来るのです。これによりロアユニットが受ける水の抵抗を軽減し、速度の増加が期待できます。同様に少しでも水流の盛りあがる位置にロアユニットを置くことで、旋回時のベンチレーション(空気の巻き込み)を避ける事ができ、旋回性能の向上も期待できるわけです。

 一方、ジャックプレートの分だけ重量が増しますし、100kg以上もあるエンジンをセットバックする事でボート全体のバランスが大きく後方に寄ってしまいます。それによりバウが持ち上がり過ぎて静止時の安定性が悪くなる可能性もあります。また、比較的小さなボートではジャックを付けることによりバランスが崩れ、トータルな走行性能が落ちる場合も考えられます。大型ボートでも何インチのジャックを付ければどのような効果が出るかというのは予想が難しく、なかなか気軽に取り付けられるパーツでは有りません。取りつけの際は経験の豊富な信頼できるショップに相談されるべきでしょう。

 ジャックプレートにはマニュアル式と油圧式等があります。マニュアル式は文字通り何箇所かのボルトを調整してジャックに付いたエンジンの高さを変更します。油圧式は油圧により走行中でもスイッチ一つで簡単にエンジンの高さを調整できるもので、湖面の状況などに応じてエンジンの高さを微調整しながら走行できる便利なものです。しかし、オイルポンプを含めたジャック全体の重量は大幅に上がりますので、取りつけの際はその点を考慮する必要があります。

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