キャビテーションって何?
キャビテーション(CAVITATION):空洞現象

 物体が流体(水・空気など)の中を高速で移動する場合、移動速度が速くなればなるほど、物体の側面と後部の流体の圧力が低くなるという法則があります。
水は大気圧では100度で沸騰し気化しますが、圧力がある程度(飽和蒸気圧以下)まで下がると常温でも沸騰し、気化してしまいます。



バスボートでは、高速で回転するプロペラの周りの流速がある限界を越えて速くなると飽和蒸気圧以下の部分が生じ、水が常温で気化し、気泡が発生してしまいます。これが空洞化現象=キャビテーションと言われるものです。プロペラの周りでキャビテーションが起こるとプロペラが気化した空気を噛んで空転し、推力が水に伝わらなくなってしまいます。





 基本的には上記の現象をキャビテーションと表現しますが、バスボート業界においては、上記の圧力低下→沸騰によるキャビテーション以外に、プロペラが何らかの理由で空気を捉え空転してしまうこと全般をキャビテーションを起こす・キャビるなどと表現するようです。

例)
●走行中、トランサム直後の水流が乱れる部分で空気の泡を含んだ水をペラが捉えて空転する。
●バウの上下動により、エレクトリックモーターのペラが一時的に水面に出て空気を噛んで空転する

 キャビテーションを起すと推力のロスが起きるだけではありません。飽和蒸気圧以下の部分で気化して発生した気泡が、再び飽和蒸気圧以上の部分に入ると再び液体に戻ってしまいます。この速度が非常に大きいために大きな衝撃力が発生してしまいます。バスボートではこの衝撃力が連続してプロペラに伝わると、プロペラの一部が削り取られていく場合もある程です。写真の矢印で示した白く見える部分がキャビテーションによる侵食の跡です。



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